亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いを薬剤師が解説|使い分け・塗り方・注意点までわかりやすく紹介

医薬品等解説
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亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は、どちらも皮膚を保護したり、炎症をやわらげたりする目的で使われる外用薬です。

名前がよく似ているため、薬局でも患者さんから、

「亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は何が違うのですか?」
「どちらを塗ればいいのですか?」
「赤ちゃんのおむつかぶれにも使えますか?」
「ジュクジュクしているところに塗っても大丈夫ですか?」

と聞かれることがあります。

結論からいうと、亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の大きな違いは、酸化亜鉛の量と基剤の性質です。

亜鉛華軟膏は酸化亜鉛を20%含み、比較的しっかり患部を乾燥させる方向に働きます。一方、亜鉛華単軟膏は酸化亜鉛を10%含み、亜鉛華軟膏よりもマイルドに皮膚を保護するイメージで使われることがあります。

ただし、どちらが絶対に良いというものではありません。

患部がジュクジュクしているのか、乾燥しているのか、赤みやただれがどの程度あるのかによって、向いている薬は変わります。

この記事では、亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い、使い分け、塗り方、注意点について、基礎知識がない方にもわかりやすく解説します。

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亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏はどんな薬?

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は、どちらも酸化亜鉛という成分を含む外用薬です。

酸化亜鉛には、皮膚を保護する作用、炎症をやわらげる作用、患部を乾燥させる作用があります。

皮膚が赤くなっているとき、ただれているとき、ジュクジュクしているときなどに、患部を守りながら炎症を落ち着かせる目的で使用されます。

代表的には、次のような場面で使われることがあります。

湿疹
皮膚炎
おむつかぶれ
軽いやけど
外傷によるびらん
肛門まわりのかゆみ
皮膚がこすれて赤くなっている部位
ジュクジュクした皮膚トラブル

ただし、深い傷や重いやけど、感染が疑われる皮膚症状では、自己判断で使うのではなく医師の診察が必要です。

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は「皮膚を守る薬」ではありますが、どんな皮膚トラブルにも使える万能薬ではありません。

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いを整理すると、次のようになります。

項目亜鉛華軟膏亜鉛華単軟膏
酸化亜鉛の量20%10%
基剤白色軟膏系単軟膏系
乾燥させる作用比較的強い比較的マイルド
吸水性比較的高い比較的低い
向いている状態ジュクジュクした患部、湿潤した皮膚乾燥しやすい部位、軽い炎症、保護目的
使用時の注意乾燥しすぎることがあるジュクジュクが強い場合は不十分なことがある

簡単にいうと、亜鉛華軟膏は「ジュクジュクを抑えて保護する薬」、亜鉛華単軟膏は「皮膚をやさしく保護する薬」と考えると理解しやすいです。

ただし、実際の使い分けには明確な絶対基準があるわけではありません。患部の状態、処方医の意図、使用部位、患者さんの年齢や皮膚の状態を見ながら判断されます。

酸化亜鉛の量が違うと何が変わる?

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏では、酸化亜鉛の量が違います。

亜鉛華軟膏は酸化亜鉛を20%含みます。
亜鉛華単軟膏は酸化亜鉛を10%含みます。

酸化亜鉛には、皮膚の表面に膜を作って保護する働きがあります。また、患部を乾燥させる方向に働くため、ジュクジュクした湿疹やびらんに使われることがあります。

たとえば、皮膚がただれて湿っている場合、患部に滲出液が出ていることがあります。滲出液とは、炎症が起きている皮膚から出てくる液体のことです。

このような状態では、皮膚を保護しながら余分な湿り気を抑えることが大切です。そのため、酸化亜鉛を多く含む亜鉛華軟膏が使われることがあります。

一方で、乾燥しやすい皮膚に酸化亜鉛の乾燥作用が強く出ると、かえってカサつきや違和感につながることがあります。

この場合は、亜鉛華単軟膏のように酸化亜鉛の量が少ないものが選ばれることがあります。

基剤の違いも使い分けに関係する

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は、酸化亜鉛の量だけでなく、薬をのせている土台である基剤も異なります。

基剤とは、薬の成分を皮膚に塗りやすくするためのベースのことです。

外用薬では、この基剤の性質がとても重要です。同じ成分を含んでいても、基剤が違うと、塗り心地、皮膚への密着性、乾燥しやすさ、落としやすさが変わります。

亜鉛華軟膏は、白色軟膏系の基剤を使用しています。比較的吸水性があり、滲出液がある患部に使いやすい特徴があります。

亜鉛華単軟膏は、単軟膏系の基剤を使用しています。亜鉛華軟膏に比べると吸水性は低く、皮膚を保護する目的で使われることがあります。

そのため、薬局で説明するときは、「成分の量が違います」だけでなく、「塗った後の乾きやすさや、ジュクジュクへの向き不向きも違います」と伝えると、患者さんが理解しやすくなります。

亜鉛華軟膏が向いているケース

亜鉛華軟膏は、酸化亜鉛を20%含む外用薬です。

比較的しっかりと患部を保護し、ジュクジュクした皮膚を乾燥させる方向に働きます。

そのため、次のようなケースで使われることがあります。

湿潤した湿疹
滲出液がある皮膚炎
びらんを伴う皮膚トラブル
軽いやけどの後の保護
おむつかぶれでただれがある場合
汗や摩擦で皮膚がふやけやすい部位

たとえば、おむつかぶれで皮膚が赤くなり、少しジュクジュクしている場合には、亜鉛華軟膏が使われることがあります。

皮膚表面を保護しながら、余分な湿り気を抑えることで、患部が刺激を受けにくい環境を作ることが目的です。

ただし、乾燥傾向が強い皮膚に長く使うと、カサつきが目立つことがあります。

「赤みはよくなったけれど、皮膚が乾燥してきた」
「塗っている部分が粉っぽくなってきた」
「かゆみが増えたように感じる」

このような場合は、薬が合っていない、または患部の状態が変わってきた可能性があります。自己判断で続けるのではなく、医師や薬剤師に相談することが大切です。

亜鉛華単軟膏が向いているケース

亜鉛華単軟膏は、酸化亜鉛を10%含む外用薬です。

亜鉛華軟膏に比べると酸化亜鉛の量が少なく、皮膚をやさしく保護する目的で使われることがあります。

次のようなケースで使われることがあります。

軽い湿疹
乾燥しやすい皮膚
皮膚のこすれを防ぎたい部位
赤ちゃんのおむつまわりの保護
軽い炎症がある部位
強く乾燥させたくない皮膚

亜鉛華単軟膏は、ジュクジュクが強い患部よりも、乾燥しやすい部位や、皮膚を保護したい場面で使いやすい薬です。

たとえば、赤みはあるものの滲出液があまり出ていない場合、皮膚がこすれて刺激を受けやすい場合などに使われることがあります。

ただし、滲出液が多い患部では、亜鉛華単軟膏だけでは湿り気を十分にコントロールできないことがあります。

患部がかなりジュクジュクしている、黄色い液が出ている、膿のようなものがある、悪臭があるといった場合は、感染を伴っている可能性もあるため、医療機関での確認が必要です。

おむつかぶれに使うときの考え方

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は、おむつかぶれで使われることがあります。

おむつかぶれは、尿や便、汗、摩擦、蒸れなどが重なって起こります。赤ちゃんの皮膚は薄く、刺激に弱いため、おむつの中の環境が悪くなるとすぐに赤くなったり、ただれたりします。

おむつかぶれで大切なのは、薬を塗ることだけではありません。

おむつ交換の回数を増やすこと
便や尿をやさしく拭き取ること
強くこすらないこと
洗った後は水分をしっかり押さえること
患部を刺激から守ること

このようなケアが基本になります。

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は、皮膚の表面に膜を作り、便や尿の刺激から皮膚を守る目的で使われます。

ジュクジュクしている場合は亜鉛華軟膏が使われることがあります。一方で、乾燥しやすい、軽い赤みがある、保護目的で使いたい場合は亜鉛華単軟膏が使われることがあります。

ただし、赤みが強い、皮膚がただれて痛がる、ブツブツが広がっている、カンジダなどの感染が疑われる場合には、亜鉛華軟膏だけでは改善しないことがあります。

その場合は、抗真菌薬やステロイド外用薬など、別の治療が必要になることもあります。数日使っても改善しない場合や悪化する場合は、受診をすすめることが大切です。

塗り方のポイント

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は、塗り方も大切です。

まず、患部を清潔にします。

汚れや便が残っていると、薬を塗っても刺激が続いてしまいます。おむつまわりであれば、こすらずにやさしく洗う、またはやさしく拭き取ることが大切です。

次に、水分を軽く押さえます。

濡れたまま薬を塗ると、薬がうまく密着しにくいことがあります。タオルやガーゼでこすらずに、やさしく押さえるように水分を取ります。

その後、患部を覆うように塗ります。

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は、すり込むというより、皮膚の上に保護膜を作るイメージで塗る薬です。

薄くのばす場合もありますが、おむつかぶれなどでは、便や尿の刺激から守るために、少し厚めに塗るよう指示されることもあります。

処方時の指示に従い、塗る回数や量を確認しましょう。

落とし方のポイント

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は、皮膚に残りやすい薬です。

特に厚めに塗った場合、毎回完全に落とそうとしてゴシゴシこすると、かえって皮膚を傷つけてしまいます。

おむつかぶれなどで使用している場合は、汚れた部分だけをやさしく拭き取り、薬がきれいに残っている部分は無理に落とさないという考え方もあります。

落とす必要がある場合は、ぬるま湯でやさしく洗う、オイルやワセリンなどを使ってなじませてから落とすなど、皮膚への刺激を減らす工夫が必要です。

患者さんには、次のように説明すると伝わりやすいです。

「白い薬が残っていても、毎回ゴシゴシ落とす必要はありません。汚れた部分だけやさしく取って、皮膚をこすりすぎないようにしてください。」

皮膚トラブルでは、薬そのものよりも、拭き取りや洗浄による刺激が悪化の原因になることもあります。

ステロイド外用薬と一緒に使う場合

皮膚炎やおむつかぶれでは、ステロイド外用薬と亜鉛華軟膏、亜鉛華単軟膏が一緒に処方されることがあります。

この場合、どの順番で塗るのかを確認することが大切です。

一般的には、炎症を抑えたい部分にステロイド外用薬を塗り、その上から保護目的で亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏を塗るよう指示されることがあります。

ただし、処方医の意図や部位によって指示が異なる場合があります。

薬局では、患者さんに次のように確認するとよいでしょう。

「先生から塗る順番について説明はありましたか」
「どの薬をどの部分に塗るか聞いていますか」
「赤いところだけに塗る薬と、広めに保護する薬が分かれています」

ステロイド外用薬は、必要な部位に適切な量を塗ることが大切です。怖がって少なすぎても効果が不十分になり、逆に広範囲に長期間使いすぎるのも望ましくありません。

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏と一緒に出ている場合は、それぞれの役割を分けて説明すると、患者さんが混乱しにくくなります。

使用時に注意したい症状

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は比較的よく使われる外用薬ですが、使用中に注意したい症状もあります。

次のような場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

赤みが強くなった
かゆみが増えた
ヒリヒリ感や刺激感がある
発疹が広がった
ジュクジュクが悪化した
膿のようなものが出てきた
悪臭がある
痛みが強い
数日使っても改善しない

亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏は、皮膚を保護したり炎症をやわらげたりする薬ですが、細菌感染や真菌感染そのものを治す薬ではありません。

たとえば、カンジダによるおむつかぶれや、細菌感染を伴う皮膚トラブルでは、別の薬が必要になることがあります。

「塗っているのに悪化している」と感じる場合は、薬が合っていない、または診断が変わる可能性もあるため、早めに相談することが大切です。

患者さんへの説明例

薬局で患者さんに説明するときは、専門用語を使いすぎないことが大切です。

亜鉛華軟膏の場合は、次のように説明できます。

「この薬は、皮膚を保護しながら、ジュクジュクした部分を少し乾かすように働く薬です。こすり込むというより、患部を覆うように塗ってください。」

亜鉛華単軟膏の場合は、次のように説明できます。

「この薬は、皮膚を保護して刺激を受けにくくする薬です。赤みやこすれがある部分に、やさしくのばして塗ってください。」

おむつかぶれの場合は、次のように伝えるとわかりやすいです。

「便や尿の刺激から皮膚を守る目的で使います。毎回全部をこすって落とそうとすると皮膚に負担がかかるので、汚れた部分だけやさしく取って塗り直してください。」

患者さんは「薬の名前」よりも、「何のために塗るのか」「どのくらい塗るのか」「落とし方はどうするのか」に不安を持っています。

薬剤師としては、成分の違いだけでなく、日常生活で困りやすいポイントまで説明すると、服薬指導の質が上がります。

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏はどちらが強い?

患者さんから「どちらが強い薬ですか」と聞かれることがあります。

この場合は、単純に強い・弱いで説明するよりも、向いている皮膚の状態が違うと伝える方が正確です。

亜鉛華軟膏は酸化亜鉛の量が多く、ジュクジュクした患部を乾燥させる方向に働きやすい薬です。

亜鉛華単軟膏は酸化亜鉛の量が少なく、亜鉛華軟膏よりもマイルドに皮膚を保護するイメージで使われます。

つまり、「亜鉛華軟膏の方が強いから良い」「亜鉛華単軟膏の方が弱いから効かない」という話ではありません。

ジュクジュクしている患部には亜鉛華軟膏が合うことがあります。
乾燥しやすい患部や保護目的では亜鉛華単軟膏が合うことがあります。

皮膚の状態に合わせて選ぶことが大切です。

外用薬の説明は、患者さんに伝わりにくいこともあります。服薬指導に苦手意識がある方は、こちらの記事も参考にしてください。

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まとめ

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は、どちらも酸化亜鉛を含む外用薬です。

大きな違いは、酸化亜鉛の量と基剤の性質です。

亜鉛華軟膏は酸化亜鉛を20%含み、比較的しっかり患部を乾燥させる方向に働きます。ジュクジュクした湿疹やびらん、湿潤した皮膚トラブルで使われることがあります。

亜鉛華単軟膏は酸化亜鉛を10%含み、亜鉛華軟膏よりもマイルドに皮膚を保護する目的で使われることがあります。乾燥しやすい部位や軽い炎症、保護目的で使われることがあります。

ただし、どちらが絶対に良いというものではありません。

大切なのは、患部がジュクジュクしているのか、乾燥しているのか、感染が疑われる症状がないかを確認することです。

薬局では、「成分量の違い」だけでなく、「どのような皮膚状態に向いているのか」「塗り方」「落とし方」「受診が必要な症状」まで説明できると、患者さんの安心につながります。

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は身近な薬ですが、使い分けを理解しておくと、外用薬の服薬指導に自信を持ちやすくなります。

外用薬の服薬指導は、「塗ってください」だけでは患者さんに伝わりにくいことがあります。
どの部位に、どのくらい、どの順番で、いつまで使うのかを説明するには、薬剤師が落ち着いて患者さんと向き合える環境も大切です。
今の職場で服薬指導に十分な時間が取れない、もっと患者さんに寄り添った薬剤師業務がしたいと感じている方は、働き方を見直してみるのも一つの選択肢です。

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