服薬指導に不安を感じるのはあなただけじゃない

「服薬指導がうまくできない」「患者さんにうまく伝わらない」と悩んだ経験はありませんか?
実は、こうした悩みを抱える薬剤師は決して少なくありません。特に新人の頃や、異動・転職で新しい職場に慣れないうちは、服薬指導への苦手意識を持ちやすいものです。
服薬指導は、単に薬の情報を伝えるだけでなく、患者さんの理解と納得を得る大切な仕事です。うまくいかないと感じたときは、自分を責める前に「やり方を見直すチャンス」と捉えましょう。
この記事では、服薬指導がうまくいかないと悩んだ時に見直すべき5つのポイントと、苦手を克服するためのコツをわかりやすく紹介します。
伝え方を見直そう

服薬指導がうまくいかないと感じたとき、まず最初に振り返ってほしいのは「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」です。
どれだけ正しい情報でも、相手に伝わらなければ意味がありません。
- 専門用語を使いすぎていないか
- 早口になっていないか
- 無表情で、圧迫感を与えていないか
薬剤師は知識が豊富なため、つい専門的な説明になりがちです。しかし患者さんにとっては、難しい単語が並ぶだけで理解しづらくなってしまいます。
また、一方的な説明や早口は、患者さんが質問しにくくなる原因になります。
伝え方を工夫するポイントは以下の3つです。
- 専門用語をできるだけ使わず、やさしい言葉に言い換える
- 要点は「3つ以内」に絞り、短くシンプルに伝える
- 患者さんの表情や反応を見ながら、スピードを調整する
たとえば「NSAIDs(エヌセイズ)」というよりも、「痛み止めのお薬です」と言ったほうが、患者さんには格段に伝わりやすくなります。
「伝えた」ではなく「伝わったか」を意識する――これが、服薬指導の第一歩です。
患者さん目線になれているかを振り返ろう

服薬指導がうまくいかない原因のひとつは、患者さんが本当に知りたいことを捉えられていないことです。
患者さんが関心を持つのは次のようなことです。
- この薬は自分にどんな効果があるか
- 飲み方やタイミングで気をつけることはあるか
- 副作用が出たらどうすればいいか
添付文書をそのまま読み上げるだけでは、患者さんの不安に応えられません。
患者さん目線を意識するためには、まず「相手に質問する」ことが大切です。
- 「このお薬について何か気になることはありますか?」
- 「飲み忘れたとき、どうすればいいかご存知ですか?」
- 「副作用についてご不安なことはありませんか?」
こうした問いかけを通じて、患者さん自身に話してもらう機会を作りましょう。
常に「自分が患者なら何を知りたいか」を意識することで、服薬指導の伝わり方が大きく変わります。
聞く力を鍛えよう

服薬指導では、「説明する力」以上に「聞く力」が重要です。
患者さんが心を開き、指導を受け入れてくれるかどうかは、「この人は私の話を聞いてくれる」と感じてもらえるかにかかっています。
聞く力を高めるポイントは次の通りです。
- あいづちを打つ:「はい」「そうなんですね」と反応を返す
- オウム返しをする:「薬が苦手なんですね」と患者さんの言葉を繰り返す
- 沈黙を怖がらない:相手が考えている間は、じっと待つ
あいづちやオウム返しは、「ちゃんと聞いてくれている」という安心感を与えます。
また、沈黙を恐れず待つことで、患者さんが本当に言いたいことを引き出せることもあります。
良い服薬指導は、話す力ではなく「聞く力」で決まると言っていいでしょう。
服薬指導に「型」を持とう

服薬指導に自信がないときは、「伝える内容をテンプレート化」するのがおすすめです。
毎回ゼロから考えていると、緊張して話がまとまらなかったり、伝え漏れをしてしまったりします。
あらかじめ「型」を持っておけば、落ち着いて指導に臨めるようになります。
シンプルな型の一例を紹介します。
- 【服薬方法】
「この薬は1日○回、食後に飲みます」 - 【効果】
「○○の症状を和らげるお薬です」 - 【副作用】
「まれに△△の副作用が出ることがあります」 - 【飲み忘れ時の対応】
「飲み忘れたら、気づいた時点で1回分を飲んでください」
この基本形を覚えておけば、自信を持って服薬指導に取り組めます。
その上で、患者さんごとに必要な説明をプラスすることが大切です。
完璧を目指さなくていい。今日からひとつずつ見直そう

服薬指導は、すぐに完璧にできるものではありません。
経験を積みながら、少しずつ自分のスタイルを作っていくものです。
大事なのは、「うまくいかなかったからダメだ」と落ち込むのではなく、
「次はどこを改善できるかな」と前向きに振り返ることです。
今回紹介した、
- 伝え方の見直し
- 患者さん目線の意識
- 聞く力の向上
- 型を使った指導の習慣
これらをひとつずつ取り入れていくだけでも、確実に服薬指導のスキルは上達します。
焦らず、着実に、患者さんとの対話を楽しみながら、
「この薬剤師さんなら安心できる」と思ってもらえる日を目指しましょう。
服薬指導に不安を感じたら、派遣薬剤師から一歩踏み出してみませんか?
服薬指導に苦手意識を持ったまま働き続けるのは、心にも大きな負担をかけてしまいます。
実は、環境が変われば、あなたのスキルはもっと伸ばせるかもしれません。
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