「この処方箋、リフィル可になっているけど、2回目はいつ調剤すればいい?」
リフィル処方箋を受け付ける機会はまだそれほど多くなく、実際に薬局で受け付けると少し戸惑う薬剤師もいるのではないでしょうか。
リフィル処方箋は、症状が安定している患者さんについて、医師と薬剤師が連携しながら、1枚の処方箋を最大3回まで使用できる制度です。
患者さんにとっては通院負担を減らせるメリットがある一方、薬剤師には「次の診察まで患者さんの状態を確認する」という重要な役割があります。
この記事では、リフィル処方箋の基本的な仕組みから対象外となる医薬品、2回目以降の調剤時期、薬局で確認したいポイントまで、若手薬剤師にもわかりやすく解説します。
リフィル処方箋とは?
リフィル処方箋とは、医師が患者さんの病状が安定していると判断した場合に、1枚の処方箋を一定期間内に最大3回まで繰り返して使用できる仕組みです。
2022年度の診療報酬改定で導入されました。
通常の処方箋であれば、薬局で薬を受け取るとその処方箋は使用済みになります。
一方、リフィル処方箋では、たとえば「30日分×3回」として処方されていれば、1回目に30日分を受け取ったあと、再度医療機関を受診せずに2回目、3回目の薬を薬局で受け取ることができます。
ただし、
「3回まで薬局に行くだけで薬をもらえる制度」
と考えてしまうのは少し違います。
リフィル期間中は医師の診察間隔が長くなるため、その間の服薬状況や体調変化を確認する薬剤師の役割がより重要になります。
リフィル処方箋は最大3回まで使用できる
リフィル処方箋の使用回数は最大3回です。
たとえば1回30日分、リフィル3回の処方であれば、
- 1回目:30日分
- 2回目:30日分
- 3回目:30日分
というように、合計90日分を3回に分けて調剤するイメージです。
「90日処方と何が違うの?」
と思うかもしれません。
大きな違いは、薬剤師が途中で患者さんの状態を確認できることです。
90日分を一度に渡す長期処方では、その後しばらく薬局で患者さんと接する機会がありません。
リフィル処方箋なら30日ごとなど一定間隔で患者さんが来局するため、薬剤師が服薬状況、副作用、残薬、体調変化などを確認できます。
ここがリフィル処方箋を理解するうえで重要なポイントです。
リフィル処方箋はいつ調剤できる?
リフィル処方箋では、1回目と2回目以降で使用できる期間の考え方が異なります。
1回目の調剤
通常の処方箋と同様、原則として処方箋の交付日を含め4日以内が使用期間です。
ただし、長期旅行など特殊な事情があり、処方箋の「使用期間」欄に別の日付が記載されている場合は、その日まで使用できます。
2回目・3回目の調剤
2回目以降は、
前回の調剤日+投薬期間=次回調剤予定日
として考えます。
そして原則、次回調剤予定日の前後7日以内に調剤します。
たとえば6月13日が次回調剤予定日の場合、6月6日から6月20日までが調剤可能な期間です。
ただし、薬がなくなってから来局することを勧めるわけではありません。
服薬が途切れないよう、次回調剤予定日までに来局することを患者さんに説明しておくことが大切です。
リフィル処方箋にできない薬は?
ここは薬剤師として特に押さえておきたいところです。
リフィル処方箋では、すべての医薬品を対象にできるわけではありません。
対象外となるのは、主に次の2つです。
- 投薬量に上限が定められている医薬品
- 湿布薬
たとえば、新医薬品や一部の麻薬・向精神薬などには14日、30日、90日などの投薬期間の上限が設定されています。
このような「投薬量に限度が定められている医薬品」は、リフィル処方箋による投薬はできません。
ここで注意したいのが、
「向精神薬だから全部リフィル不可」ではない
という点です。
リフィル不可かどうかは薬効分類だけで判断するのではなく、その医薬品が投薬期間制限の対象になっているかを確認する必要があります。
リフィル処方箋と分割調剤は何が違う?
リフィル処方箋と混同しやすい制度に「分割調剤」があります。
どちらも薬を複数回に分けて受け取るため似ていますが、目的が異なります。
リフィル処方箋は、病状が安定している患者さんについて、一定期間、医師の再診を受けずに同じ処方箋を繰り返し使用する仕組みです。
一方、分割調剤は、長期保存が難しい薬が含まれる場合や、後発医薬品を初めて使用する場合など、必要に応じて処方された薬を分けて調剤する仕組みです。
「再診せずに処方箋を繰り返し使う」のがリフィル処方箋
と覚えると整理しやすいでしょう。
薬局でリフィル処方箋を受け付けたら何を確認する?
リフィル処方箋を受け付けた際は、単に調剤可能な期間だけを確認すればよいわけではありません。
まず確認したいのは、
- リフィル可欄
- 総使用回数
- 今回が何回目か
- 前回調剤日
- 投薬日数
- 次回調剤予定日
- リフィル対象外の薬が含まれていないか
などです。
さらに重要なのが患者さんの状態確認です。
「前回から体調は変わっていませんか?」
「薬を飲んでいて気になる症状はありませんか?」
「飲み忘れや余っている薬はありませんか?」
など、通常の服薬指導以上に「前回から今回までの変化」を意識して確認するとよいでしょう。

「調剤して大丈夫?」と感じたら処方医へつなぐ
リフィル処方箋だからといって、必ず残りの回数まで調剤しなければならないわけではありません。
患者さんの服薬状況や体調などを確認し、薬剤師がリフィル処方箋による調剤を行うことが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診を勧めることがあります。
たとえば、
「最近、血圧がかなり低くなっている」
「薬を飲み始めてからふらつきが増えた」
「足のむくみが急にひどくなった」
などの変化があれば、「リフィルだからそのまま調剤する」のではなく、受診の必要性を検討することが重要です。
処方箋の残り回数ではなく、患者さんの状態を見て判断する。
これがリフィル処方箋における薬剤師の重要な役割です。
電子処方箋でもリフィル処方箋を利用できる
現在は、電子処方箋でもリフィル処方箋を利用できます。
紙のリフィル処方箋では、次回の調剤まで患者さん自身が処方箋を保管する必要があります。
電子処方箋であれば紙の原本を保管する必要がないため、途中で処方箋を紛失する心配がありません。
また、次回調剤予定日はマイナポータルから確認できます。
ただし、リフィル処方箋の電子処方箋を利用するためには、医療機関・薬局側のシステムが対応している必要があります。

2026年度診療報酬改定とリフィル処方箋
リフィル処方箋は2022年に導入されましたが、現在も普及に向けた取り組みが続いています。
2026年度診療報酬改定では、長期処方・リフィル処方箋の活用に関する見直しが行われました。
患者さんの状態に応じて、医師の判断により長期処方やリフィル処方箋による処方に対応できることを患者さんへ周知することが、一部の医学管理料などの要件に追加されています。
今後、患者さんから、
「リフィル処方箋にできますか?」
と相談される機会が増える可能性があります。
薬剤師も「リフィル処方箋を受け取ってから勉強する」のではなく、基本的な制度や薬局での対応をあらかじめ整理しておきたいところです。

リフィル処方箋では薬剤師の役割がより重要になる
リフィル処方箋は、単に患者さんの通院回数を減らすためだけの制度ではありません。
医師の診察と診察の間を、薬剤師が薬学的にフォローする仕組みとも考えられます。
長期処方では90日分を一度に渡して終わることがありますが、リフィル処方箋なら一定期間ごとに患者さんと接点を持てます。
そのときに、
「ちゃんと飲めていますか?」
だけで終わらせるのではなく、
副作用はないか、残薬はないか、症状は変化していないか、受診が必要な状態ではないか
まで確認する。
リフィル処方箋が普及するほど、薬剤師には「薬を渡す人」ではなく、次の診察まで患者さんの薬物療法を支える専門職としての役割が求められるのではないでしょうか。
まとめ|リフィル処方箋は「最大3回」だけ覚えない
リフィル処方箋について、まず押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 1枚の処方箋を最大3回まで使用できる
- 1回目は原則として交付日を含め4日以内
- 2回目以降は次回調剤予定日の前後7日以内
- 投薬量に限度が定められている医薬品と湿布薬は対象外
- 患者さんの状態によっては調剤せず受診を勧める
- 電子処方箋でもリフィル処方箋を利用できる
- 2026年度診療報酬改定でも活用に向けた見直しが行われている
新人・若手薬剤師であれば、制度の細かなルールをすべて暗記するより、
「リフィルでは、医師の診察と診察の間を薬剤師がフォローする」
と理解しておくと、実際の服薬指導にもつながりやすいと思います。
リフィル処方箋を受け付けたときこそ、患者さんの変化を拾える薬剤師でありたいですね。
参考文献



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