お薬代が高いと感じたことはありませんか?
調剤薬局でお薬をもらうときに、ジェネリック医薬品に変更することでお薬代を安くできます。しかし、わからないものに変更することに抵抗を感じる方も多いでしょう。
今回は、ジェネリック医薬品について解説します。
ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック医薬品は、特許が切れた新薬と同じ有効成分で製造される医薬品です。新薬には特許が存在し、一定期間、独占的に販売できますが、特許期限が切れることで同じ有効成分の医薬品を他の製薬会社が製造することが可能になります。新薬とは違い、ジェネリック医薬品は開発費がかかっていないため費用を安くできるメリットがあります。有効成分も同じであり、薬機法に基づいて検査を受けているので有効性や安全性が新薬と同じだと認められているのも特徴です。
ジェネリック医薬品の普及は国が推進している
調剤薬局でお薬をもらうときに、ジェネリック医薬品への変更を勧められることが多いのではないでしょうか。調剤薬局は、国からジェネリック医薬品の普及を推し進める役割を与えられています。調剤報酬という薬局の利益に関わる部分で、ジェネリックの普及率に応じて利益がでるようにしていますが、普及率の低い薬局ではペナルティが課されることもあります。
医療費削減
国がジェネリック医薬品の普及を推進する理由として最大の理由として、医療費の削減があります。厚生労働省が発表している「令和元年度調剤医療費の動向」によると、日本全国の調剤薬局での薬剤料が5兆7114億円でした。調剤医療費全体では7兆7025億円に対して医薬品の金額が非常に大きいため、新薬に比べて費用を抑えることができるジェネリック医薬品は医療費削減に貢献するといえます。
欧米先進国ではジェネリック医薬品が主流
欧米先進国でも医療費削減を削減できるメリットがあるため、ジェネリック医薬品の普及率は高いものとなっています。イギリスやフランス、ドイツなどで使用されている医療用医薬品の70%、アメリカでは90%がジェネリック医薬品を使用しています。
ジェネリック医薬品の普及率は?
日本でのジェネリック医薬品の普及率は、厚生労働省が発表している「令和3年医薬品価格調査(薬価調査)の速報値」によると79.0%となっています。国は、2023年度末までにジェネリック医薬品の普及率を全ての都道府県で80%以上にすることを目標としているため、今後もジェネリック医薬品の普及を推進していくでしょう。
ジェネリック医薬品のメリット
調剤薬局でお薬をもらう際に、患者さんがジェネリック医薬品に変更するメリットもあります。
お薬代が安くなる
ジェネリック医薬品は、新薬に比べると薬剤費が半分から2/3ほど安くなる傾向があります。そのため、金額の高い医薬品をジェネリック医薬品に変更することで、お薬代を安くすることが可能です。特に、糖尿病や高血圧など長期の治療が必要となる病気のお薬を使っている場合は、ジェネリック医薬品に変更することで長期的に減らせる金額は大きいです。
飲みやすくなっていることがある
ジェネリック医薬品は、新薬よりも後に販売されているので味を改良したり、錠剤を小さくしたりして飲みやすくする工夫をしているものがあります。また、新薬にはない成分量の規格を販売することで、服用する錠剤の数を減らせるものもあります。
ジェネリック医薬品のデメリット
ジェネリック医薬品にもデメリットがあるので注意が必要です。
添加物が違うことがある
医薬品は、有効成分とは別に添加物が配合されています。添加物は、粉状の有効成分を錠剤の形に固めるためのものであったり、味を整えたりさまざまな役割をはたしています。新薬とジェネリック医薬品は、添加物が異なることがあるので味や溶け方に違いが生じることがあります。薬の効果や安全性については新薬と同等ではありますが、味や錠剤の大きさなどが異なるので注意が必要です。
ジェネリック医薬品の中には、新薬と有効成分、添加物、製造方法も全く同じのオーソライズドジェネリックというものもあるので、どうしても気になる場合はそちらの変更を検討してみてください。
使用感が異なることもある
新薬とジェネリック医薬品は、添加物が異なるので使用感にも違いがある場合もあります。特に、湿布や塗り薬では、肌に接するので違いを感じる可能性が高いです。湿布では皮膚に貼り付けるためののりが異なるので、貼り心地に変化が生じます。塗り薬でも同じ有効成分でもしっとりする感じとべったりするという微妙な違いを感じることがあります。
まとめ
ジェネリック医薬品は、新薬よりもお薬代を安くできるメリットがあります。国も医療費削減のためジェネリック医薬品の普及を推進しています。日本の健康保険制度を維持するためにもジェネリック医薬品の普及は必要不可欠だといえるでしょう。そのため、今後もジェネリック医薬品の普及は進むものと考えられます。
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