光線過敏症を起こす薬とレーザー脱毛|薬剤師の確認ポイントと説明例

薬剤師が解説
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情報確認日:2026年10月4日/本記事には広告を含みます。

「この薬を飲んでいるのですが、レーザー脱毛を受けても大丈夫ですか?」。薬局でこう聞かれたとき、添付文書に「光線過敏症」とあるだけで、施術の可否まで答えてよいのか迷うことがあります。

薬剤師がまず行うのは、使用薬と皮膚の状態を確認し、施術を担当する医師へ判断材料をつなぐことです。脱毛のために患者さんが自己判断で薬を休まないよう、具体的な確認手順と説明例を整理します。

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光線過敏症がある薬なら、レーザー脱毛は受けられない?

光線過敏症は、光を浴びたことをきっかけに皮膚の赤みやかゆみなどが生じる状態です。薬が関与することがあり、内服薬だけでなく、貼り薬・塗り薬も確認対象になります。

日光による光線過敏症と、レーザー照射による皮膚への影響は、分けて考える必要があります。英国のBritish Medical Laser Association(BMLA)の資料では、薬剤による光毒性は主に紫外線A波(UVA:315~400nm)で起こり、一部は可視光域にも及ぶと説明されています。一方、500nmを超えるレーザー・光機器では、多くの薬について同じ反応が起こる可能性は低いという見解です。[1]

ただし、これは「服薬中でも脱毛は安全」と保証する根拠ではありません。同資料は2017年版の英国の合意文書で、国内の施術施設の基準を置き換えるものではありません。薬剤や皮膚の状態、施術方法が違えば、確認する点も変わります。

IPL(Intense Pulsed Light:広帯域の光を用いる機器)もレーザーと同じものではありません。「脱毛」という言葉だけで判断せず、医療機関でのレーザーなのか、IPLなのか、家庭用機器なのかを確認しましょう。

薬局で確認したい薬の例

以下は確認の入口となる例です。この表は「脱毛禁止薬リスト」でも、光線過敏症を起こす薬の網羅表でもありません。薬剤ごとの注意事項は、実際に使用している製品の最新の電子添文で確認してください。[1–3]

一般名・商品名の例 相談時に確認したいこと
ケトプロフェン外用薬(モーラステープなど) 貼付・塗布した部位、最後に使った時期、赤みやかゆみの有無。使用を終えた後も確認する
ヒドロクロロチアジドを含む配合薬(エカード、コディオ、ミコンビなど) 配合成分まで確認する。日光を浴びた後の皮膚症状、薬の開始・変更時期を聞く
ボリコナゾール(ブイフェンドなど) 皮膚症状や遮光指導の状況を確認し、治療中の使用薬として施術先へ伝える
アミオダロン(アンカロンなど) 光線過敏症・色素沈着に注意が必要な薬として共有する。自己休薬を勧めない

薬局で渡した処方薬だけでは情報がそろわないこともあります。「飲み薬のほかに、貼り薬や塗り薬、市販薬、サプリメントも使っていますか?」と範囲を広げて聞くことが大切です。

鎮痛薬の確認事項を整理したい方は、NSAIDsの違いと使い分け|胃腸障害・腎機能・高齢者で注意したいポイントも参考にしてください。

ケトプロフェン外用薬は「剥がした後」も伝える

ケトプロフェン外用薬では、現在貼っているかだけで確認を終えないことが大切です。モーラステープ20mgの電子添文には、使用後数日から数カ月を経て光線過敏症が発現する場合があると記載されています。[2]

同製品では、使用中は天候にかかわらず貼付部を衣服・サポーターなどで遮光し、使用後も当分の間、同様に注意するよう指導します。白い生地や薄い衣服は紫外線を通すおそれがあるため、覆い方まで具体的に説明しましょう。[2]

なお、一般用のケトプロフェンパップには「使用後少なくとも4週間」の遮光を求める製品もあります。[4] 4週間たてば脱毛できる、という意味ではありません。遮光期間と施術の可否は別に確認し、製品ごとの注意事項に従います。

モーラステープ20mgでは、光線過敏症の既往がある患者は禁忌です。また、日焼け止めなどに含まれるオキシベンゾン・オクトクリレンに対する過敏症歴も確認対象です。[2] 「日焼け止めを塗れば十分」と一律に説明せず、衣服による遮光と、使用している製品を確認します。

説明例:「この貼り薬は、剥がした後も光による皮膚トラブルに注意が必要です。使った場所と最後に貼った日を、脱毛を受ける医療機関にも伝えてください。赤みやかゆみがある場合は、施術前に医師へ確認しましょう。」

脱毛の相談を受けたときの4ステップ

1.施術の予定と皮膚症状を聞く

施術予定日、施術部位、施設、分かる範囲で機器や方法を確認します。そのうえで「日光を浴びた後に赤くなったり、かゆくなったりしたことはありますか?」「脱毛したい場所に、今、赤みや傷はありますか?」と聞きます。

患者さんが機器名を知らなくても、確認を打ち切る必要はありません。使用薬を整理し、施術先で確認してもらう事項として残します。

2.使用薬の名前・部位・時期をそろえる

お薬手帳や薬剤情報提供書を使い、処方薬、他院の薬、市販薬、外用薬、サプリメントを確認します。薬の開始日や変更日、外用した場所、最後に使用した日も、分かる範囲で記録します。

質問の組み立て方は、薬剤師のコミュニケーション術|患者との信頼を築く聞き方・服薬指導の例文でも整理しています。

3.自己休薬を防ぎ、施術先へつなぐ

脱毛のために一律に「前日から休んでください」「数日やめれば大丈夫です」と案内しないようにします。施術先から休薬を求められた場合も、処方医と必要性・可否を確認します。

説明例:「薬の名前だけで、ここで脱毛できるかを決めることはできません。薬を止めると治療に影響することもあるので、まずはお薬手帳を施術先に見せて確認してください。休薬が必要と言われた場合は、処方した先生にも確認しましょう。」

BMLA資料には慎重なテスト照射などの記載がありますが、実施・評価するのは施術側です。[1] テスト照射は、薬剤アレルギーを調べる皮膚のパッチテストと区別して説明し、薬局から「テストが陰性なら安全」と保証しないようにします。

4.皮膚症状があるときは受診につなぐ

赤みやかゆみ、水疱などがある場合は、施術予定を医療機関へ伝え、皮膚の状態を確認してもらいます。ケトプロフェン外用薬の使用中に皮膚症状が出た場合は、電子添文に沿って使用を中止し、患部を遮光して受診するよう案内します。[2]

施術後に症状が出た場合も、光線過敏症と決めつけず、施術先へ経過を伝えて診察につなげましょう。

施術先への情報提供と薬歴の記載例

以下は架空の記載例です。実際に確認できた内容と、患者さんの申告を分け、必要な情報提供は患者さんの同意を得て行います。

施術先へ伝える内容

患者申告:○月○日に下腿の脱毛予定。ケトプロフェンテープを右膝周辺に使用し、最終使用日は○月○日とのこと。現在、患者申告では赤み・かゆみなし。電子添文の光線過敏症に関する注意を説明し、使用部位と時期を施術前に医師へ共有するよう案内。施術可否・照射範囲などの評価をお願いいたします。

薬歴に残す内容

脱毛予定について相談あり。使用薬・外用部位・最終使用日・皮膚症状を聴取。施術可否は薬局で確定せず、施術先への薬剤情報提示を案内。自己判断での休薬を避け、休薬の指示があった場合は処方医へ確認するよう説明。ケトプロフェン外用部位の遮光と皮膚症状出現時の対応を説明。

記録では「脱毛可能と説明」だけで終えず、何を確認し、何を説明し、誰へ判断をつないだかを残すと、次回の対応にも役立ちます。

まとめ|薬の一覧より、確認の順番を押さえる

脱毛の相談では、施術予定と皮膚症状→使用薬・外用部位・時期→電子添文の確認→施術医・処方医との連携の順に情報を整理します。光線過敏症の記載だけで施術を一律に禁止したり、光の波長だけで安全と判断したりせず、患者さんが治療薬を自己中断しないよう支援しましょう。

参考文献

  1. British Medical Laser Association. Drugs and Lasers/IPLs(Version 2, May 2017/掲載2018年)。https://bmla.co.uk/drugs-and-laser-ipls/
  2. 久光製薬.モーラステープ20mg 電子添文(2024年10月改訂、第2版)。https://www.hisamitsu-pharm.jp/product/data/mohrust20_t.pdf
  3. 一宮市立市民病院 薬剤局.DI NEWS 2021年8月「光線過敏症について」(薬剤例を整理する補助資料)。https://municipal-hospital.ichinomiya.aichi.jp/data/media/ichinomiya-hp/page/medical/druginformation/dinews2021.8.pdf
  4. 大昭製薬.オムニードケトプロフェンパップ 製品情報・使用上の注意。https://www.daisho-s.jp/seihinjyouhou/オムニードケトプロフェンパップ

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