入学できても注意!薬学部の退学率や留年しやすい人などを解説

薬剤師が解説

薬学部は、他の学部に比べると留年や退学が多い傾向です。留年をしたり、退学をしたりすると時間やお金を余計に失うことにもなります。留年をしやすい人には特徴があるので当てはまる場合には注意が必要です。

今回は、薬学部の留年や退学が多い理由や留年しやすい人の特徴を解説します。

薬学部は留年や退学が多い

文部科学省は、2021年度の調査で各大学の留年率や退学率を発表しました。薬学部の退学率は平均で15%と他の大学に比べると非常に高いものであり、一番退学率の高い大学で56%というものでした。逆に、退学率の最も低い大学は、0.98%と非常に差がある状態です

また、薬学部は、退学だけでなく留年も多いのが特徴です。6年間での留年率は私立大学の薬学部の場合は、35.4%とされています。

薬学部はなぜ留年しやすいのか

薬学部の留年率や退学率が高い理由として、大学の講義内容についていけない学生が非常に多いというのが理由にあります。そのため、偏差値の高い大学では、優秀な学生が多いので留年率や退学率が低い傾向にあります。

こちらでは、薬学部の留年率や退学率を上げる要因になった理由をさらに解説します。

定員割れの大学が多い

薬学部は、2002年度には47校ありましたが、20年間たった現在では、77校まで増えています。急激に薬学部が増えてきたことで、定員割れをする大学も増えてきました。定員割れの状況を改善するために入学試験の教科数を一つだけにしたり、合格ボーダーを下げたりして学生を確保する大学も存在します。そのため、定員割れをしている大学では、学生の質が低下することにつながります。

偏差値が低い大学でも履修する内容は同じ

薬学部の講義カリキュラムは、文部科学省が設定しているため大学で講義内容に大きな違いはありません。そのため、偏差値の低い大学だったとしても薬剤師として求められるレベルまで学習をする必要があります。今まで勉強をする習慣がなかった学生だと、大学に入ってからの方が苦労することもあります。

合格率を上げたい大学の思惑もある

薬剤師国家試験の合格率を上げるために、合格できる見込みのない学生を卒業試験で落とすということもあります。国試の合格率を高くして、大学としての実績にするという思惑もあります。卒業試験は、実際の国家試験よりも難しく設定されていることもあるので注意が必要です。

留年しやすい人の特徴は?

薬学部で留年する人にはある程度の特徴があります。当てはまっている場合には、対策を行った方が良いでしょう。

出席率が低い

講義を受けるのが面倒臭くてサボってしまうことが多い場合には、非常に留年する可能性が高いです。一度でも講義を欠席すると遅れを取り戻すのは非常に困難といえるでしょう。講義内容が理解できなかったとしても、講義に出席することで少しでも追いつく努力が必要です。

アルバイトやサークルの比重が大きい

講義だけでなく、アルバイトやサークルに打ち込む学生も多いです。しかし、アルバイトやサークル活動に熱中して、勉強時間が確保できていない場合には注意が必要です。生活費を稼ぐ必要がある場合は、アルバイトで稼ぐ金額と留年したときの金銭、時間的損失とを比べても奨学金の活用を考えた方が良いでしょう。

友達が少ない

大学での友達が少ない場合には、定期テストの過去問などの入手難易度が高くなるので注意が必要です。定期テストは、過去問をもとに対策をたてることで合格する可能性を上げることができます。

留年しないためには?

留年率の高い大学でも問題なく大学を卒業でき、薬剤師国家試験に合格できる学生もいます。留年をしないためにできることは、基本的なことが多いので実践していくことが重要です。

生活リズムを整える

大学生活は、さまざまな誘惑があります。飲み会やギャンブル、遊びなどで夜ふかしをしていると朝起きることもできません。そのため、誘惑を断ち切って、夜は早めに寝て朝早く起きる生活リズムを作っていくことが重要です。生活リズムが整えば寝坊することも無くなるので講義にもきちんと出席できます。

勉強時間を確保する

薬学部の講義内容では覚えることも多く、しっかりと理解する必要があるものがほとんどです。そのため、講義の予習や復習をするためにも十分な勉強時間を確保することが重要です。今までに勉強する習慣がなかった場合は、長時間勉強しようとするのではなく、本を開く、椅子に座るなど小さいことから始めると良いでしょう。

仲間を作る

大学で仲間を作ることでお互いに励まし合い、モチベーションを保つことができます。孤独に耐えることができるのであれば良いですが、最低でも6年間の長い期間を勉強に費やす必要があります。仲間を作ることで大学生活を充実させるのも良いでしょう。

薬学部の学生は勉強に追われるので覚悟がいる

講義内容についていけずに単位を落として留年すると、多額の学費と1年間の月日を余計にかける必要があります。学費の問題や勉強に対するモチベーションの問題で退学する学生も存在します。薬剤師になるためには、勉強に邁進する覚悟が必要です。

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