薬剤師として働いて辛いと感じたことはありませんか？
職場で受けるストレスを放置するとうつや適応障害など精神疾患を発症する可能性が高くなります。しかし、精神的に追い詰められると病んでいることを自覚することも難しくなるので気づいたときには深刻な状況に陥っているということも珍しくもありません。精神的に病んでいるときには、体から危険を知らせるサインがでているのでわずかな変化も見逃さないことが重要です。
今回は、薬剤師がメンタルを病む理由と体からのサイン、対処法を紹介します。
薬剤師がメンタルを病む理由
大学を6年間通って、国家試験も合格してやっと薬剤師として働くことができると喜んでいいるのも束の間、メンタルを病んで薬剤師を辞める以外の選択肢が取れない人が存在します。こちらでは、薬剤師がメンタルを病む主な理由を解説します。
人間関係
薬剤師に限らず、転職をする理由として人間関係が原因であることが多いです。調剤薬局などでは従業員が少ない小規模の店舗も多いので人間関係が拗れると精神的にも負担が大きくなります。上司の人間性に問題がある場合には無茶な業務量を割り振られる可能性もあるので注意が必要ですが、従業員の多い店舗であれば味方になってくれる人が一人くらいはいてくれる可能性もあります。就職や転職をする際には事前に職場の雰囲気を確認してみるのもいいでしょう。
長時間労働による過労
薬剤師の人数がギリギリで一人当たりの業務量が多い場合には休憩がなかなか取れないこともあります。定時に業務を終わらせることができずに、長時間労働を余儀なくされる店舗もあります。睡眠時間が短くなり、慢性的な疲労が蓄積すると肉体だけでなく精神にも悪影響が起きるので注意が必要です。
やりがいのなさ
薬剤師としての仕事にやりがいを感じられない場合には、気づかないうちにメンタルを病んでいることもあります。業務量が膨大過ぎて調剤室での作業で１日が終わってしまう日が何年も続くと薬剤師としてキャリアに不安を感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、誰かから必要とされることでやりがいを感じることもあるので、現在の業務が誰のためになっているかを考えてみるのもいいでしょう。
メンタルを病んでいるときに出るサイン
うつなどの精神疾患は発症する前に体からサインがでていることがあります。メンタルを病んでしまうと日常生活を送ることも難しくなるので早めの対処が重要です。
生活リズムが崩れる
メンタルを病むと行動を起こすことが難しくなります。例えば、うつなどの精神疾患は、重症化するとお風呂に入る、歯を磨く、掃除をするという日常生活が困難になります。性格などもあるため一概に言えませんが、面倒だからお風呂に入らない、掃除をするの面倒だから部屋が汚くなるなどの生活リズムが崩れてきている場合には注意が必要です。また、精神的に追い詰められると不眠や過眠などの睡眠障害になることがあります。夜眠れなかったり、いくら寝ても眠れないという症状がでた場合には医療機関への受診も検討した方がいいでしょう。
好きなことが楽しめない
うつになると好きなことを楽しむことができなくなります。以前は楽しむことができた趣味を楽しめなかったり、感動できたものがつまらないものに感じたりすると精神的に消耗している可能性があります。
仕事のミスが増える
うつや適応障害などの精神疾患を発症すると脳の認知機能が低下することがあります。普段をできていたようなことをミスしたり、仕事のミスが増えたりしている場合には精神的に疲労が溜まっていることも考えられます。業務量が多くて休みが取りづらい場合には、数分でもいいので目を閉じて深呼吸してみてください。
涙が出る
映画や小説、漫画を読んで感動することで涙を流すことが正常なことですが、特になんでもない日常で急に涙がでてきた場合には精神的に限界がきている可能性があります。うつ病などの精神疾患は脳の病気に分類されます。感情を司る部位は脳に存在し、ストレスなどで脳機能に異常が出ると感情をうまく制御できなくなります。気分が落ち込んだり、涙が急に出る場合にはうつ病の可能性を考えた方がいいでしょう。
メンタルを病みそうな時の対策
うつ病や適応障害などの精神疾患は発症すると仕事だけでなく日常生活にも問題が生じることがあります。治療には数ヶ月から数年以上かかることもあるので収入やキャリアだけでなく人間関係にも悪い影響が起きることも考えられます。薬剤師として働いていて精神的に病みそうになったときは早めに対処することが重要です。
生活リズムを整える
生活リズムを出来るだけ一定に保つことは精神的な安定をもたらすことにもつながります。休みの日の前は夜更かしをして翌日には昼過ぎまで寝るという生活を送っている方は多いかもしれません。しかし、就寝時間や起床時間を一定にすることで生活リズムが崩れることを防ぐことができます。また、運動にはストレスを発散する効果があり、うつ病や適応障害などの発症リスクを下げることが報告されています。生活習慣を改善することでメンタル的な疲労に軽減する可能性があります。
仕事のことから離れる
帰宅後や休みの日にも仕事のことを考えると気持ちの面で休めなくなります。休みの日には仕事のことを忘れて家族との時間を大切にしたり、趣味に没頭してみたりすることでメリハリもつき、仕事にも集中できます。
医療機関へ受診
精神的に追い詰められるとうつ病や適応障害のサインにも気づくことが難しくなります。家族や友人から様子がおかしいといわれた場合には無理をせずに医療機関へ受診しましょう。
メンタルを病んだときに取れる選択肢
メンタルを病んでしまうと正常な判断ができなくなることもあります。薬剤師の仕事は、正確さを求められる業務が多いので、メンタルの不調は調剤過誤にもつながるので同じ職場に残ることはリスクだと言えます。
異動する
チェーンの調剤薬局やドラッグストアなど複数店舗がある場合には異動も申請してみるのもいいでしょう。メンタルを病む大きな理由として人間関係があるので、別の店舗にいくことで人間関係をリセットされ、ストレスの原因から離れることができます。また、勤続年数が少ない場合には思い通りの転職ができない可能性もあるので異動は比較的リスクが少ないと言えます。
休職する
精神疾患を発症した場合には治療のために休職した方がいいでしょう。うつ病は、脳が疲弊している状態だと考えられているため薬物治療や心理療法と並行してとにかく休むことが必要です。医師の指示された期間は十分な休養をとってください。
転職する
病院薬剤師や店舗が少ない薬局では移動できないこともあります。休職するためには医師の診断書が必要な場合もあるので精神疾患を発症する前に対処できない可能性もあります。そのため、ストレスでメンタルを病んだときには壊れる前に転職を検討してみてください。
転職をすることは悪いことではない
うつ病などの精神疾患を発症すると治療に長い期間がかかり、休職後に職場へ復帰しても状況が改善するとは限りません。転職をすることで人間関係をリセットした方が状況が良くなる可能性もあります。精神的に疲弊している状態で転職活動をするとうまく判断できずに転職によって年収や待遇が下がるリスクもあるので転職の専門家に相談してみるといいでしょう。
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