薬剤師の往診同行で2剤減薬できた話|新設された訪問薬剤管理医師同時指導料を解説

薬剤師が解説
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令和8年度調剤報酬改定では、在宅医療におけるポリファーマシー対策や多職種連携を推進するため、「訪問薬剤管理医師同時指導料」が新設されました。

私は先日、医師の往診に同行する機会がありました。

患者さんの服薬状況や生活環境を確認しながら医師へ処方提案を行った結果、

  • 薬剤を2剤減薬
  • 服薬回数を1日3回から1日1回へ変更

することができました。

薬剤師として在宅医療に関わる価値を改めて実感するとともに、今回新設された「訪問薬剤管理医師同時指導料」の意義を感じる経験となりました。

今回は実際の経験を交えながら、訪問薬剤管理医師同時指導料について解説します。

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往診同行で見えた服薬管理の課題

今回訪問した患者さんは複数の薬剤を服用していました。

薬局での服薬指導では大きな問題は見えませんでしたが、実際に自宅を訪問すると、

  • 飲み忘れがある
  • 服薬回数が負担になっている
  • 家族の介助負担が大きい
  • 継続意義を再評価できそうな薬剤がある

ことが分かりました。

在宅医療では「処方箋を見る」のではなく、「患者さんの生活を見る」ことの重要性を改めて感じました。

医師への処方提案で2剤減薬につながった

患者さんの服薬状況を医師と共有し、

  • 継続意義が低くなっている薬剤
  • 服薬負担の大きい処方
  • 服薬回数を減らせる可能性

について相談しました。

その結果、

  • 2剤の減薬
  • 分3から分1への変更

が実現しました。

服薬回数が減ることで、

  • 飲み忘れの予防
  • 残薬削減
  • ご家族の負担軽減
  • アドヒアランス向上

が期待できます。

薬剤師の提案がその場で処方変更につながったことは、医師と同時訪問する大きなメリットだと感じました。

訪問薬剤管理医師同時指導料とは?

訪問薬剤管理医師同時指導料は、令和8年度調剤報酬改定で新設された項目です。

医師の訪問診療や往診に薬剤師が同行し、患者宅などで共同して薬学的管理指導を行った場合に算定できます。

点数は、

150点(6か月に1回)

です。

この点数は、在宅医療における医師と薬剤師の連携を評価する目的で新設されました。

特に高齢患者では、

  • ポリファーマシー
  • 飲み忘れ
  • 残薬
  • 副作用

などの問題が起こりやすく、多職種での対応が求められています。

訪問薬剤管理医師同時指導料の算定要件

主な算定要件は以下のとおりです。

  • 通院が困難な在宅患者であること
  • 患者または家族の同意があること
  • 訪問薬剤管理指導または居宅療養管理指導を実施していること
  • 医師の訪問診療または往診と同時に訪問すること
  • 医師と共同して薬学的管理指導を行うこと
  • 6か月に1回算定すること

算定にあたっては、訪問した事実だけではなく、薬学的管理や医師との連携内容を記録することも重要です。

処方変更がなくても算定できる

今回のケースでは実際に減薬につながりましたが、処方変更そのものが算定要件ではありません。

訪問薬剤管理医師同時指導料では、

  • 医師と患者情報を共有する
  • 薬学的観点から評価する
  • 必要に応じて処方設計を検討する

ことが評価されています。

そのため、結果として処方変更がなかった場合でも算定対象となります。

重要なのは、医師と薬剤師が患者さんのために共同で薬物療法を検討したかどうかです。

薬局薬剤師が在宅で求められるスキル

在宅医療では薬の知識だけでなく、総合的な対応力が求められます。

観察力

生活環境や服薬状況から問題点を見つける力です。

コミュニケーション能力

患者さんや家族の困りごとを引き出す力が必要です。

提案力

薬学的根拠をもとに医師へ提案する能力が求められます。

多職種連携力

医師、看護師、ケアマネジャーなどとの連携が欠かせません。

今回の経験でも、薬剤知識だけでなくコミュニケーションや提案力の重要性を強く感じました。

訪問薬剤管理医師同時指導料が新設された意義

今回の改定で新設された背景には、高齢化に伴うポリファーマシー対策があります。

薬剤師が医師と同時に患者さんを評価することで、

  • 不要薬の見直し
  • 服薬負担の軽減
  • 残薬削減
  • 副作用予防

につながることが期待されています。

今回私が経験した2剤の減薬も、まさにこの制度が目指している取り組みの一例だったと感じています。

まとめ

今回の往診同行では、患者さんの生活状況を踏まえて医師へ処方提案を行い、2剤の減薬と服薬回数の削減につなげることができました。

また、令和8年度調剤報酬改定で新設された訪問薬剤管理医師同時指導料の意義も実感する機会となりました。

在宅医療では、薬剤師が患者さんの生活に直接関わることで見えてくる課題があります。

今後も高齢化が進む中で、医師と薬剤師の連携はますます重要になるでしょう。

管理薬剤師として在宅医療に関わる中で感じたことを、今後も発信していきたいと思います。

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参考文献

厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(調剤)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001684593.pdf

今回の経験を通じて感じたのは、在宅医療の質は薬剤師個人の努力だけでなく、職場の環境にも大きく左右されるということです。

在宅業務に積極的に取り組みたい方や、多職種連携を経験できる職場を探している方は、薬局業界に詳しい転職サービスへ相談してみるのも一つの方法です。

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