バイオシミラーとは?ジェネリックとの違い・2026年調剤報酬改定で薬剤師に求められる対応を解説

医薬品等解説
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「バイオシミラー」という言葉を聞いたことはあっても、ジェネリック医薬品との違いまで正確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。

バイオシミラーは、バイオ医薬品の特許期間が終了した後に開発される医薬品です。日本語では「バイオ後続品」と呼ばれます。

近年、がん、関節リウマチ、炎症性腸疾患、糖尿病などの治療では、バイオ医薬品が広く使われるようになっています。一方で、バイオ医薬品は高額なものが多く、医療費の増加や患者負担が課題になることもあります。

そこで注目されているのがバイオシミラーです。

さらに、2026年度調剤報酬改定では、薬局におけるバイオ後続品の調剤体制や患者説明を評価するバイオ後続品調剤体制加算が新設されました。これにより、バイオシミラーは病院だけでなく、薬局薬剤師にとっても押さえておきたいテーマになっています。

この記事では、バイオシミラーの基本、ジェネリック医薬品との違い、2026年度調剤報酬改定との関係、薬局薬剤師に求められる対応について、基礎知識がない方にもわかりやすく解説します。

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バイオ医薬品とは?

バイオシミラーを理解するためには、まず「バイオ医薬品」について知っておく必要があります。

バイオ医薬品とは、化学合成によって作られる一般的な医薬品とは異なり、生物の細胞やたんぱく質を利用して作られる医薬品です。

代表的なものには、インスリン製剤、成長ホルモン製剤、抗体医薬品などがあります。近年では、がん治療や自己免疫疾患の治療に使われる抗体医薬品も多く、医療現場では欠かせない存在になっています。

バイオ医薬品の特徴は、分子構造が大きく複雑であることです。

たとえば、一般的な化学合成医薬品は比較的小さな分子で作られていることが多く、構造を再現しやすいという特徴があります。一方、バイオ医薬品は生きた細胞を使って作られるため、製造工程の違いによってわずかな差が生じることがあります。

この「複雑さ」が、バイオシミラーとジェネリック医薬品の違いを理解するうえで重要なポイントになります。

バイオシミラーとは?

バイオシミラーとは、先行バイオ医薬品と品質・有効性・安全性が同等または同質であることが確認された医薬品です。

「シミラー」という言葉から、「似ているだけで効果が弱いのでは?」と感じる人もいるかもしれません。しかし、バイオシミラーは単に似せて作った薬ではありません。

先行バイオ医薬品と比較して、品質、有効性、安全性に大きな違いがないことを確認したうえで承認されます。

ただし、バイオ医薬品は生物由来の製品であり、完全に同一のものを作ることは難しいとされています。そのため、ジェネリック医薬品のように「同一成分」と表現するのではなく、「同等性/同質性が確認された医薬品」と理解するとよいでしょう。

薬局で患者さんに説明する場合は、次のように伝えるとわかりやすいです。

バイオシミラーは、先に使われていたバイオ医薬品と比べて、効果や安全性に大きな違いがないことを確認して承認された薬です。ジェネリックと似た役割がありますが、作り方や確認方法が少し異なります。

このように説明すると、「安いだけの薬」ではなく、「きちんと確認された選択肢」であることが伝わりやすくなります。

バイオシミラーとジェネリック医薬品の違い

バイオシミラーは、よくジェネリック医薬品と比較されます。どちらも先に発売された医薬品の後に登場する薬であり、医療費の適正化に役立つという点では共通しています。

しかし、両者には大きな違いがあります。

ジェネリック医薬品は、主に化学合成によって作られる医薬品です。有効成分は原則として先発医薬品と同じです。そのため、承認審査では、先発医薬品と体内で同じように吸収されるかを確認する生物学的同等性試験などが重視されます。

一方、バイオシミラーは、生物由来の細胞などを使って作られます。構造が大きく複雑なため、先行バイオ医薬品と完全に同じものを作るのではなく、品質・有効性・安全性が同等または同質であることを段階的に確認します。

つまり、ジェネリック医薬品は「同じ有効成分の薬」と説明されることが多いのに対し、バイオシミラーは「先行バイオ医薬品と同等性/同質性が確認された薬」と説明する方が正確です。

薬剤師としては、この違いを患者さんにかみ砕いて伝える力が求められます。

バイオシミラーが注目される理由

バイオシミラーが注目される大きな理由は、医療費の適正化です。

バイオ医薬品は、がんや自己免疫疾患などの治療で大きな役割を果たしています。しかし、薬価が高いものも多く、患者さんの自己負担や医療保険財政への影響が課題になりやすい薬剤でもあります。

バイオシミラーが普及すれば、治療の選択肢を保ちながら薬剤費を抑えられる可能性があります。

ただし、ここで注意したいのは、バイオシミラーを「安い薬」とだけ説明してしまうことです。

患者さんの中には、現在の治療で病状が安定している方もいます。そのような方に対して、いきなり「安くなります」と説明しても、不安が強くなる場合があります。

特に、自己免疫疾患やがん治療などで長く治療を続けている患者さんにとっては、「薬を変える」というだけで大きな心理的負担になることがあります。

そのため、薬剤師は価格面だけでなく、品質、有効性、安全性が確認された医薬品であることを丁寧に説明する必要があります。

2026年度調剤報酬改定でバイオシミラーはどう変わった?

2026年度調剤報酬改定では、バイオ後続品の使用促進に向けた評価として、バイオ後続品調剤体制加算が新設されました。

これは、バイオ後続品を調剤し、患者さんに適切に説明できる体制を整えている薬局を評価するものです。厚労省資料では、施設基準に適合して地方厚生局等へ届け出た保険薬局において、対象となるバイオ後続品を調剤した場合に、バイオ後続品調剤体制加算として50点を算定できるとされています。

対象となるバイオ後続品については、インスリン製剤を除くとされています。

この改定のポイントは、単に「バイオシミラーを置いている薬局」が評価されるのではなく、適切な保管体制や患者説明ができる薬局が評価される点です。

バイオ医薬品は、温度管理や取り扱いに注意が必要なものも多くあります。また、患者さんが不安を感じやすい薬剤でもあります。

そのため、今後の薬局では、バイオシミラーについて「知っている」だけでは不十分です。

患者さんに説明できること、医師や医療機関と連携できること、薬剤ごとの特徴や適応を確認できることが、より重要になっていくと考えられます。

調剤報酬改定によって、薬局ごとの働きやすさや業務負担にも差が出やすくなります。改定後の薬局選びについては、こちらの記事も参考にしてください。

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薬局薬剤師に求められる説明のポイント

バイオシミラーについて患者さんに説明するときは、専門用語を並べるよりも、不安を減らす説明を意識することが大切です。

まず伝えたいのは、バイオシミラーは「安いから使う薬」ではないということです。

もちろん、薬剤費の負担軽減は重要なメリットです。しかし、それだけを強調すると、患者さんは「安い分、効果が落ちるのではないか」と感じてしまうことがあります。

そのため、説明の順番としては、次の流れが自然です。

まず、バイオシミラーは先行バイオ医薬品と比較して、品質・有効性・安全性が確認された薬であることを伝えます。

次に、医療費や自己負担の軽減につながる可能性があることを説明します。

最後に、切り替え後も体調変化や副作用の有無を確認しながら治療を続けることを伝えます。

たとえば、次のような説明が使いやすいです。

バイオシミラーは、もとのバイオ医薬品と比べて、効果や安全性に大きな違いがないことを確認して承認された薬です。薬剤費の負担を抑えられる可能性がありますが、切り替え後も体調の変化がないか一緒に確認していきます。

この説明であれば、患者さんに「費用だけで変更された」と受け取られにくくなります。

バイオシミラーで薬剤師が注意したいこと

バイオシミラーを扱うとき、薬剤師が注意したい点はいくつかあります。

まず、すべてのバイオシミラーが先行バイオ医薬品とまったく同じ効能・効果を持っているとは限りません。

バイオシミラーによっては、承認されている適応が先行品と異なる場合があります。そのため、処方内容を確認するときは、単に成分名だけを見るのではなく、添付文書で適応や用法用量を確認することが大切です。

次に、患者さんの治療歴にも注意が必要です。

すでに先行バイオ医薬品で病状が安定している患者さんでは、薬剤変更に対して不安を感じることがあります。特に、長期治療中の患者さんでは、「今まで問題なかった薬を変える理由」が納得できない場合もあります。

このような場面では、薬剤師が一方的に説明するのではなく、患者さんの不安を聞き取ることが重要です。

「薬が変わることに不安はありますか」
「以前、薬を変更して困ったことはありませんか」
「費用面で気になることはありますか」

このような声かけを行うことで、患者さんが不安を話しやすくなります。

また、注射薬では保管方法や使用方法の確認も重要です。冷所保存が必要な薬剤では、持ち帰り時の温度管理、自宅での保管場所、使用前の確認事項なども丁寧に説明する必要があります。

バイオシミラーは、薬剤そのものの知識だけでなく、患者さんの生活に合わせた服薬支援が求められる薬剤だといえます。

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バイオシミラーは薬剤師の実務力が問われる分野

2026年度調剤報酬改定によって、バイオシミラーは薬局薬剤師にとってより身近なテーマになりました。

これまでは、バイオ医薬品やバイオシミラーというと、病院や専門外来のイメージが強かったかもしれません。

しかし、今後は薬局でも、バイオ後続品の説明、保管、調剤、継続的なフォローが求められる場面が増えていく可能性があります。

特に、在宅医療、専門医療機関連携、自己注射指導、医療費負担の相談などに関わる薬局では、バイオシミラーの知識が実務に直結しやすくなります。

薬剤師としては、次のような力が重要になります。

バイオ医薬品とバイオシミラーの違いを説明できること。
患者さんの不安を聞き取れること。
薬剤費だけでなく、品質や安全性の情報を伝えられること。
処方医や医療機関と必要に応じて連携できること。
添付文書や公的資料を確認しながら対応できること。

これらは、単なる知識ではなく、薬局現場での信頼につながるスキルです。

調剤報酬改定をきっかけに、薬局ごとの業務内容や評価されるスキルにも差が出やすくなっています。
「今の職場で専門性を伸ばせるのか不安」と感じる方は、薬剤師専門の転職サービスで求人の傾向だけ確認してみるのも一つの方法です。


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まとめ|バイオシミラーは「薬局で説明できる力」が重要になる

バイオシミラーは、先行バイオ医薬品と品質・有効性・安全性が同等または同質であることを確認して承認された医薬品です。

ジェネリック医薬品と同じように医療費の適正化に役立つ面がありますが、製造方法や承認までの確認方法には違いがあります。

2026年度調剤報酬改定では、バイオ後続品調剤体制加算が新設され、薬局におけるバイオ後続品の調剤体制や患者説明が評価されるようになりました。

つまり、今後の薬局薬剤師には、バイオシミラーを「知っている」だけでなく、患者さんにわかりやすく説明し、不安を受け止めながら安全に治療を続けられるよう支援する力が求められます。

バイオシミラーは、薬剤師の専門性を発揮しやすい分野です。

調剤報酬改定をきっかけに、薬局の中でどのように説明体制を整えるか、どの薬剤を扱う可能性があるかを確認しておくと、日々の実務にも役立つでしょう。

バイオシミラー、在宅医療、専門医療機関連携など、薬局薬剤師に求められる役割は広がっています。
ただし、こうした業務に前向きに取り組めるかどうかは、薬局の方針や人員体制によって大きく変わります。
「今の職場では学ぶ余裕がない」「調剤報酬改定後の変化についていけるか不安」という方は、転職を前提にしなくても、まずは他の薬局の求人や働き方を見ておくと判断材料になります。


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バイオシミラーや在宅医療、専門医療機関連携など、薬局薬剤師に求められる役割は少しずつ変化しています。

2026年度調剤報酬改定でも、単に薬を渡すだけでなく、患者さんへの説明、継続的な確認、医療機関との連携といった対人業務がより重視される流れが見えます。

もし今の職場で、こうした新しい業務に十分取り組めない、学ぶ時間がない、評価されにくいと感じている場合は、働く環境を見直すことも選択肢のひとつです。

転職を急ぐ必要はありませんが、調剤報酬改定をきっかけに、今の薬局がこれからの変化に対応できる環境かどうかを考えてみてもよいでしょう。

転職を考える前に、薬剤師が職場を見直すポイントを整理したい方はこちらも参考にしてください。

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参考URL

厚生労働省 バイオ医薬品・バイオシミラーを正しく理解していただくために(患者・一般の方向け)

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