在宅訪問の移動時間を減らすには?薬剤師のルート設計・準備・業務改善のポイント

薬剤師の働き方
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※この記事には広告が含まれます。情報確認日:2026年10月6日

「訪問先を回って薬局に戻ると、薬歴と報告書が残っている」「近い患者さんの家を、別々の時間に往復している」。在宅業務では、訪問件数だけでなく、移動や待ち時間の積み重ねが負担になります。

移動時間を減らすには、訪問可能な時間を先に押さえ、近い訪問先をまとめ、駐車・滞在・記録まで含めて予定を組むことが大切です。地図アプリは、その計画を確認する道具として役立ちます。

この記事では、薬局薬剤師向けに、明日の訪問予定から見直せる手順を整理します。以下の時間配分や運用例は、やすべるが提案する業務改善の例であり、標準時間や効果を保証するものではありません。

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在宅訪問の負担は「移動・待ち時間・準備」に分けて考える

予定より帰局が遅くなったとき、原因がすべて運転時間にあるとは限りません。まずは、どこに時間がかかっているかを分けて記録します。

時間の種類 よくある場面 見直すポイント
移動 同じ地域を何度も往復する 訪問順・曜日・担当エリア
駐車・入館・待機 駐車場所を探す、家族の帰宅を待つ 駐車方法・入口・訪問可能時間の共有
訪問中 残薬整理や家族との相談が長引く 患者ごとの所要時間と相談内容の事前把握
出発前・帰局後 持ち物を探す、記録がまとまらない 準備のチェックリスト・記録項目の統一

例えば、道順を変えても帰局時間がほとんど変わらなければ、駐車や記録に改善の余地があるかもしれません。「移動が大変」という感覚を、薬局内で相談できる具体的な情報に変えることが第一歩です。

訪問ルートは「時間の制約→地域→所要時間」の順で組む

最初に、動かせない時間と急ぎの対応を確認する

家族が同席できる時間、デイサービスの利用時間、施設の受け入れ時間などを先に確認します。薬が不足している場合や、医師から早急な対応を求められた場合は、その必要性も踏まえて予定を調整します。

近い順に並べるだけでは、患者さんが不在だったり、関係職種との連携に間に合わなかったりします。訪問日や時間を変えるときは、患者さん・家族・関係職種と調整することが前提です。

時間を調整できる訪問先を地域ごとにまとめる

固定された予定の間に、同じ方向の訪問先を組み込みます。曜日単位で地域をまとめる方法も候補ですが、処方や患者さんの都合に合う範囲で検討します。

担当者が変わっても迷わないよう、駐車可能な場所、建物の入口、インターホンの位置、入館手続きを薬局で承認された方法で共有すると、現地での手戻りを減らしやすくなります。

地図上の移動時間に、滞在・駐車・予備時間を足す

地図の到着予想は、訪問業務全体の所要時間ではありません。服薬状況の確認、残薬整理、家族との相談に加え、駐車や徒歩移動も必要です。

例えば「移動15分+駐車・入館5分+訪問20分+予備10分」で50分という枠を考えます。これは計画の例です。実際には過去の所要時間や相談内容を参考に、患者さんごとに調整してください。

休憩と帰局後の記録時間も先に確保します。予定が押した場合は、遅れる見込みを連絡し、訪問内容や順番を見直します。運転速度を上げたり、必要な服薬支援を省いたりして帳尻を合わせる運用は避けましょう。

Google マップで訪問順と移動時間を確認する

Google マップでは、複数の目的地を追加し、経由地の順序を手動で変更できます。公式ヘルプでは、経由地は最終目的地を含めて9か所までとされています。公共交通機関など、複数目的地の指定に対応しない移動手段もあるため、利用する端末・移動手段の仕様を確認してください[1]。

  1. 薬局を出発地として、訪問先と帰着先を入力します。
  2. 時間が固定された訪問先を踏まえて、経由地の順序を入れ替えます。
  3. 移動時間を確認し、別途、駐車・滞在・休憩・記録の時間を足します。
  4. 出発前に交通状況を確認し、必要に応じて予定を調整します。

帰着する薬局も目的地の枠を使うため、訪問先を9件追加してさらに薬局を入れられる、という意味ではありません。

経由地を追加できる機能と、訪問順を自動で最適化する機能は区別して考えます。Google マップの公式ヘルプに示された手動での順序変更を使い、複数の順番を比較する方法から始められます。

訪問先が多い場合や、複数人の担当割り当てまで管理したい場合は、専用サービスを検討します。契約前に次の項目を確認すると、必要な機能を絞れます。

確認項目 薬局で確認したいこと
訪問条件 時間指定、滞在時間、休憩を設定できるか
担当者の管理 担当の固定や欠勤時の再調整に対応するか
利用環境 車・徒歩など実際の移動手段に合うか
費用 初期費用、人数による追加料金、解約条件はどうか
情報管理 権限設定、履歴、データの削除・取り出しができるか

機能や料金はサービス・契約プランによって異なります。「どのアプリでも滞在時間を設定できる」「自動的に最短ルートになる」と決めつけず、実際の訪問条件で確認しましょう。

出発前の準備と帰局後の記録もセットで見直す

出発前に確認する項目をそろえる

訪問先ごとに、薬剤・資材、処方変更、前回からの申し送り、今回確認する内容をまとめます。保管条件に応じた持ち運び方法や、連絡先も確認します。

患者さん別に必要物品を準備し、取り違えがないか確認する手順を統一すると、担当者が変わったときにも使えます。事務職員との分担は、薬剤師の専門的判断や確認が必要な業務を明確にしたうえで決めましょう。

訪問中の確認事項を、報告書につながる形にする

服薬状況、残薬、副作用が疑われる変化、生活状況など、確認する項目をあらかじめそろえると、帰局後に思い出しながら書く負担を減らせます。重要な変化や緊急性がある情報は、報告書の完成を待たず、必要な相手へ連絡します。

記載項目と具体例は、在宅訪問の報告書で薬剤師が確認したい10項目にまとめています。往診同行で医師と薬物療法を検討する場面は、薬剤師の往診同行で2剤減薬できた経験も参考にしてください。

患者情報を地図・クラウドへ登録する前に確認すること

住所、氏名、訪問予定、病名などを外部サービスへ登録する際は、薬局の情報管理ルールとサービスの契約・利用条件を確認します。住所や予定の組み合わせから個人が分かる可能性があるため、氏名を番号に置き換えるだけで十分とは限りません。

薬局での確認項目として、入力する情報の範囲、共有相手、アカウントと端末の管理、退職・担当変更時の権限解除、紛失時の対応を整理しておきます。私用アカウントで患者情報の一覧を作り、公開リンクで共有する運用は避けてください。

医療情報を扱う仕組みを導入する際は、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」第7.0版と関連資料を確認し、管理者や提供事業者と運用を決めます[2]。本記事の確認項目だけで、サービスの適合性を判断できるわけではありません。

まずは1週間、移動時間と残業の原因を記録する

新しいツールを契約する前に、まず1週間、出発・到着・訪問終了・帰局の時刻と、予定がずれた理由を記録してみてください。記録は薬局が認めた方法で管理します。

  • 移動時間:地域の往復や遠回りがないか
  • 待ち時間:駐車・不在・入館に時間がかかっていないか
  • 帰局後の時間:記録・報告・調剤のどこに負担があるか
  • 予定変更:臨時訪問や処方変更に対応できる余裕があるか

改善前後は、訪問件数や地域、相談内容が近い日を比較します。移動時間が減っても、必要な確認が抜けたり、休憩が取れなくなったりしていないかも確認してください。

効果は地域や患者さんの状況によって異なります。まずは「同じ地域を往復している日を1日見直す」「駐車情報を共有する」など、具体的な変更を一つ試すと振り返りやすくなります。

人員や担当体制が原因なら、薬局全体で相談する

ルートを工夫しても、訪問中の外来対応を支える人がいない、代替担当がいない、記録する時間が確保されていない、といった問題は残ります。その場合は、記録した所要時間をもとに、担当件数、訪問曜日、人員配置、連絡の分担を管理者と相談します。

職場を比較する場合も、「在宅あり」という求人の表示だけでは判断できません。担当件数、移動範囲、訪問中の薬局の人員、緊急時の対応、記録時間まで確認したいところです。詳しくは、在宅に強い薬局へ転職したい薬剤師が見るべきポイントと、薬剤師が転職で失敗しやすい薬局の特徴を参考にしてください。

まとめ|訪問時間の制約を押さえ、小さな改善から始める

在宅訪問の効率化では、患者さんの訪問可能時間を先に確認し、地域ごとに予定をまとめ、駐車・滞在・記録まで含めて計画することが大切です。地図アプリで道順を確認しながら、準備や情報共有も一緒に見直しましょう。

明日の訪問予定で、同じ地域を往復しているところがないか確認する。そこから始め、空いた時間を服薬支援や記録、休憩に使える運用を薬局全体で考えてみてください。

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参考文献・情報源

  1. Google マップ ヘルプ「Google マップでルートを検索して表示する」(iPhone と iPad)
    https://support.google.com/maps/answer/144339?co=GENIE.Platform%3DiOS&hl=ja
  2. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(令和8年6月)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html

アプリの仕様・提供条件は変更されることがあります。利用前に公式情報を確認してください。執筆・編集:やすべる運営者(薬剤師)

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